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筋肉栽培法 [本]


逃げろ、ボクサー (角川文庫)

逃げろ、ボクサー (角川文庫)

  • 作者: 山際 淳司
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1990/05
  • メディア: 文庫


ボディビルダーについて書かれた「果て無き渇望」という名ドキュメント本があるけどこの「筋肉栽培法」というノンフィクションドキュメントは山際淳司という人が書いた「逃げろ、ボクサー」という本の中の一編。

書かれているのは先日読んだ「鍛える理由」の著者で元全日本ボディビル王者にして東大教授石井直方先生の現役時代の話。

時間をかけて丹念に筋肉を鍛え上げる様子を細かく描写している。
ビルダーとは自分の身体の中にもう一人の「マッスル」という生き物を飼っている人間のことだーと。

とにかく筋肉を大きくすることしか考えていなかった石井直方にそんなに鍛えまくって結局どうしたいのかというようなことを聞く作者。
当然石井もそんなことは何度も自問自答してきた問題。
「そのことを考えたら・・・人生そのものがむなしさのかたまりとなってしまう。何のために生きるのか?誰も答えられない。」
「だからーそういうことは考えないほうがいい」

この本は他に表題の「逃げろ、ボクサー」というボクシング世界王者大橋秀行の兄である大橋克行というボクサーのことを書いた面白いノンフィクションもあった。
打たれずに試合を終えることだけを望み試合中に解説者やリングサイドの新聞記者の声をも耳に入れてポイントを計算しながら戦ってた異色のボクサーである意味天才肌。
「俺は温室育ちのチャンピオンになるんだ。何もかも投げ捨て、犠牲にしてチャンピオンになるなんて性に合わない。
おれは打たれないでも勝つ自身があるんだ」

結局チャンピオンにはなれなかったみたいだけどこういう人っているんだなぁ。
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