「クラッシュ―絶望を希望に変える瞬間」太田 哲也 [本]
「クラッシュ―絶望を希望に変える瞬間」太田 哲也、読む。2回目。
以前読んだしその続編やドキュメント映画も見ている。あまりに壮絶な内容だったのでもう一度読み返そうと思っててたまたま本棚で目に入りそのまま一気に読み終えた。
簡単に言うと日本一のフェラーリ使いと呼ばれたレーサー太田哲也がレースで事故にあいその治療やリハビリのことを書いた本。
その怪我というのが尋常ではなく三度(三段階のうち一番重い)熱傷を身体の40%以上負った状態(20%異常だとやばいらしいです)の危篤状態。
全身黒こげに近かったという。
危篤から脱した後腐った皮膚をガーゼで擦り取る作業がこの世でこれほどの痛みがあるのかーというほどだったそうでそれが連日続くと。
そのとき考えてやってたのが「この右手は自分の右手じゃない」と思い込んでこすられてる患部を自分と切り離したイメージを持つこと。そう思って痛みをこらえていたそうです。ただし脳に近い顔とかではこの方法は効かない。
かつて漫画「1・2の三四郎」で相手の攻撃を受けて流血したプロレスラー三四郎が「この額は俺の額じゃない!」と思い込んで痛みを麻痺させるという話があったけどそれを本当にやっていることにびっくり。
怪我の治療やリハビリの様子はリアルでその痛みが読むほうに伝わってくる。こんな状態に自分がなったら耐えれるのだろうか?と考えるくらい。
太田哲也を支えてたのは早く復活してレースに復帰したいという想いだったけどそれが無理だと知ったときやはり自殺を考えた。
しかし病院が自殺しにくい環境だということも知る。屋上は高いフェンスで覆われ窓も全部開かず睡眠薬等は看護婦が管理し天井は低い上ロープを引っ掛ける場所も少ない。
それでも自殺を図ったとして見つかるとすぐ救命処置を行われるーなるほど。
これほどの事故にあっても1年後には車を運転できるほどに回復できたとなると自分は「生かされたんだ」と考えるのだろうな。
すごい内容の本です。
2011-02-07 07:51
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