「精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける」想田和弘 [本]
精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける (シリーズCura)
- 作者: 想田和弘
- 出版社/メーカー: 中央法規出版
- 発売日: 2009/06/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ラジオのポッドキャストで紹介されてた「精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける」想田和弘、という本読む。
想田和弘という映画監督はテロップやナレーション、BGMを使わずドキュメント映画を撮ってる人で最初は監督本人の生い立ちから始まる。
で「選挙」「精神」という作品を発表。
この本のメインは「精神」撮影秘話とかメイキングのような感じです。映画のほうはまだ未見ですがかなり興味深く読めました。
岡山の精神病院に通院している人たちを「モザイクなし」で撮影したことによってどうなっていったかが詳しく書かれてました。
精神病院や患者等についての偏見というカーテンを取って映画で見せたいと撮り始めたそうだけど読むだけもでその大変さが伝わってきたし知らずに自分が持っていた偏見についても考えさせられました。
モザイクについても特に考えたことなかったけど被写体を守るためというよりも後から訴えられたり問題になったりしないようにつくり手側の自主規制的なものなんだ(モザイクをかけることによる責任回避)と読んでなるほどと納得。
舞台となった「こらーる岡山」と言う施設のあり方や院長山本先生(給料10万)の治療方針なんかもすばらしかった。
曰く、病院や薬は患者をマイナスからゼロの状態に戻すことしかできずさらにそれ以上の状態にするには人薬(ひとぐすり)-いわゆる他人とのコミュニケーションが必要になってくるとか。
精神病について知識がなくてもわかりやすく書かれてます。
さらにこの本の印税の半分は岡山市の福祉に寄付されると・・・やるなぁ想田和弘。
映画も見なければ。
2010-12-02 19:07
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コメント(1)
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映画も本も読みましたが、いろいろ考えさせられる作品ですね。
精神病のことももちろんですが、ドキュメンタリー映画の在り方についても考えさせられました。
ぜひ、映画もご覧になって、また記事にしてください。
by せん (2010-12-03 20:44)