吉村昭作品集『羆嵐(くまあらし)』ほか [本]
1915年に北海道で実際に起こった日本最大の人食いクマ事件の三毛別羆事件( 冬眠に失敗した空腹のヒグマが数度にわたり民家を襲い、当時の開拓民7名が死亡、3名の重傷者を出すという被害)。
多くのドラマや映画、漫画になってる事件ですがその中で吉村昭の書いた小説『羆嵐(くまあらし)』 が読みたくて図書館へ借りに行ったら「吉村昭自選集」11巻の中に収録されてる版があったのでどうせならついでに他の作品も読んどけるからと分厚いの借りて読んだ。
11巻は動物ものシリーズらしく「羆嵐」のほかに「ハタハタ」「羆」「海の鼠」「魚影の群れ」海馬」とあってどれも綿密な取材を元にかかれてて基本実話なのでリアリティーもあって面白かったです。
「羆嵐」はクマの恐ろしさがたっぷり描かれてました。というより圧倒的なクマを前にした人間の弱さの方をえんえんかいてます。最新の銃を持ってていばってたやつもいざクマの存在を感じ取った瞬間びびりまくって何もできなくなる人ばっかりなのでした・・・
だからこそそのクマに一人で立ち向かう孤高の熊撃ち銀オヤジのしぶさが光りまくってます!
このおっさんかっこよすぎる・・・
他の作品にも渋いおっさん(おじいさん)キャラがよく出てくる吉村昭ワールドにちょっとはまってしまいました。
インパクトあった話としては「海の鼠」
鼠と人間との生き残りをかけた戦いで島に鼠が大量発生。この大量ぶりの描き方がさぶいぼでるくらいリアルで怖いです。
人間側は鼠絶滅のあらゆる手段を講じるが(毒餌、ネズミ捕り機、蛇、猫、いたち等)鼠側の異常な繁殖力の前になすすべもない・・・
これも実話というところがほんと怖い!
こんな島絶対いややって!!
吉村作品ほかも読んでみたくなったけど調べたらかなりいっぱいあったので全部読むのはきついなーと思いました・・・
2009-03-22 13:54
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